親や祖父母などから相続する資産には、土地や家屋、現金や預金、土地・建物など、その種類はさまざまです。相続時、現金や預金が額面金額に対してそのまま課税されるのに対し、土地や建物の場合、その利用状況で大きく評価額を下げ、相続税の負担を軽減することができます。
賃貸駐車場の場合、舗装されていなかったり、簡単にロープで区画を区切っただけの青空駐車場は宅地とほぼ同じ評価となり、評価の引き下げによる節税効果はさほど期待できません。
例えば、900m²の土地を青空駐車場のうち約450m²の土地に賃貸住宅を建てて経営をはじめると、賃貸住宅の土地450m²と駐車場の土地450m²という2つの利用単位となり、賃貸住宅を建てた土地は貸家建付地として相続税評価額が建てる前から大きく減額されることになります。
さらに、固定資産税の評価についても、賃貸住宅の建設などにより土地の利用状況が変わることで相続税と同じく評価額の引き下げにつながります。
土地の利用形態を変更しても、その全てが評価の引き下げを認められるわけではありません。建築基準法上の接道義務を満たしていない土地や極端に狭く単独で有効に利用することが難しい土地など、その目的が相続税における評価の引き下げを目的とみなされた場合は元の土地と一体のものとして評価され、引き下げが認められないケースも多くみられます。
また、老朽化により入居者を募集しても長い間空室が埋まらない賃貸住宅についても、空室部分の借家権割合の控除や敷地の貸家建付地の評価引き下げは原則として認められません。老朽化した賃貸住宅を所有している方は、建て替えなどを検討してみましょう。
土地の評引き下げを利用して相続税対策を考える場合、税理士や不動産の専門家に相談するなど、制度の趣旨をきちんと理解して行うことが重要です。