「オレオレ詐欺」をはじめとする、いわゆる振り込め詐欺が世間を騒がすようになってから20年以上が経ちます。その間、架空料金請求詐欺や還付金詐欺など、新しい手口が増え、福岡県では、これらをまとめて「ニセ電話詐欺」と呼んでいます(全国共通呼称「特殊詐欺」)。
特に高齢者が狙われやすい「ニセ電話詐欺」について、福岡県警察本部生活安全部 生活安全総務課 犯罪抑止対策室長、下村警視に教えていただきました。
家族や友人、自治体や警察官等の公務員、銀行や保険会社の職員など、偽りの身分を名乗る「ニセ者」が、電話やメール・SNS、郵便物などで連絡をとり、最終的には現金等をだまし取るものです。
「オレオレ詐欺」など10種類の手口を福岡県警や警察庁のホームページで紹介していますので、ご覧ください。
福岡県警察ニセ電話詐欺対策ページ>
警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ>
福岡県における昨年の「ニセ電話詐欺」認知件数は576件、被害額は13.3億円にものぼります。令和3年以降、3年連続で被害が悪化しています。手口としては、「架空料金請求詐欺」が最も多くなっており、特に昨年は281件(暫定値)と、前年の3倍以上に増加しました。
なお、被害額においても「架空料金請求詐欺」が最も大きいのですが、昨年下半期から今年にかけて、「金融商品詐欺」で高額被害が目立っており、こちらも注意が必要です。
はい。昨年は、固定電話が全体の約6割を占めていて、65歳以上の被害者に限ると約7割を占めます。
犯人グループは、様々な職種のニセ者になりすまし電話やメールでキャッシュカード、保証金など必ずお金にまつわる話をします。ですから、電話などでお金の話は全て詐欺を疑ってください。ただし、犯人は、電話の相手を驚かせたり、慌てさせたり、とても巧みです。いざ犯人と話をしてしまえば、騙されることにつながり、とても危険です。
そうです。例えば、日頃から常に留守番電話にしておいて、すぐには電話に出ず、確認後に折り返すようにすると効果的です。また、福岡県警では警告機能などが付いた防犯機能付き電話機「まっ太フォン」※1の普及を推進していますし、NTT西日本やケーブルテレビ各社等では、被害防止に有効な「防犯機能サービス」の無償提供※2も行われていますので、ぜひ検討してみてください。
【※1】ニセ電話詐欺対策に有効な「事前警告」・「自動録音」・「注意喚起」・「着信拒否」といった防犯機能付き電話機器。機器によって搭載機能は異なるので、家電販売店等でご確認ください。
【※2】例えば、NTT西日本では70歳以上の契約者、または70歳以上の方と同居している契約者の方のナンバー・ディスプレイおよびナンバー・リクエストを無償化しております。
家族や身近な人が気付いて、被害を阻止したケースは多くあります。性格をよく知るご家族の方が、普段から電話に出ている様子を気にかけ、また遠方のご家族には定期的に連絡をしてほしいですね。犯人は「他の人に言ってはいけない」などと騙そうとしますが、ひとりで判断せずに家族や警察に相談して欲しいと思います。
ニセ電話詐欺にはたくさんの手口があって、年々巧妙になってもいますが、共通するのは「電話やメール・SNS等でお金の話が出たら詐欺」です。迷わず110番に通報してください。