皆さん、身の回りの品や所有物の「現在価値」を含めたご自身の資産状況、ちゃんと把握されているでしょうか?
このコラムでは、「終活」や「生前(老前)整理」を意識しておられる方々に、動産査定のプロの視点から、所有物である動産整理のアドバイス、また、万が一に備えての時価評価付き財産目録の有用性について、4本のコラムに分けてご紹介させていただきます。所有物をちゃんと見直すと、意外なところに「隠れ資産」が眠っているかもしれませんよ!?
整理の方法は専門の方が詳しく解説しておられる記事を参考にしていただきたいのですが、所有物の整理(リスト化)はまず、不動産と動産に大きく分けて行います。
不動産は動産と比較して資産としての価値が大きいものが多く、財産目録に記載忘れすることも少ないと思います。今回は【動産】の中でも見落としがちな、「身の回りの品」や「収集品」などに注目します。
一般的には、動産は以下のように仕分けする場合が多いと思います。
Cについては、財産目録に載せない物なので詳しくは書きませんが、人に譲る、売却する、廃棄する、のいずれにしても、事前にある程度の現在価値(=時価評価)を把握した方が後悔はないはずです。
不用品=無価値、ではありません。自分には不要でも、他の人にとっては捜し求めているものかもしれないのです。
A や B については、できればすべての品について現在の価値(=時価評価)を知っておきたいところですが、家電品や日用品などは、価値変動が一定、かつ、それほど高くないものです。なので、現在価値を知る必要性も高くなく、財産目録に品目さえ記載しておけばよいでしょう。これらは基本的には使えなくなるまで使い切るのが良いです。もちろん思い出の品も、ご本人にとっての思い出の品ですから、高価なものでない限りは品目と品物の来歴などを記載しておけば十分でしょう。
ただ、日用品、家具でも世界的に有名なブランドであったり、家電でも高価なオーディオ機器など、趣味性・嗜好性の高い品は別扱いとなります。現在価値を知っておくべき品とは、「家族や身近な人にその価値が伝わり難い品」です。趣味性・嗜好性の高い品、貴金属、ジュエリー、ブランド品、腕時計、収集品はその典型です。
例えば、時計に興味のない人には、パテックフィリップもロレックスのデイトナも、数百万円の価値があるとは思えないでしょうし、ブランド品に興味のない人には、30 年前のシャネルのアクセサリー(今では 1 点 10 万円以上で取引きされるものも)の本物と偽物の見分けはつかないでしょう。お酒を飲まない人には、ウィスキー1 本が 50 万円、100 万円というのは想像もできないはずです。
これらの品は、財産目録にただ記載するだけでなく、客観的な時価評価も記載しておいた方が、万が一の時には、残された方々が困らないはずです。また、せっかくの価値のある品が想像もできない安価で売却されてしまうのを防げるでしょう。
では、動産の時価評価は具体的にどのように行えばよいのでしょうか?