皆さん、身の回りの品や所有物の「現在価値」を含めたご自身の資産状況、ちゃんと把握されているでしょうか?
このコラムでは、「終活」や「生前(老前)整理」を意識しておられる方々に、動産査定のプロの視点から、所有物である動産整理のアドバイス、また、万が一に備えての時価評価付き財産目録の有用性について、4本のコラムに分けてご紹介させていただきます。所有物をちゃんと見直すと、意外なところに「隠れ資産」が眠っているかもしれませんよ!?
具体的な時価評価の実施方法の前に、モノの価値の現状についてご説明しておきます。実は今、あらゆる品物の中古品価格が高くなってきています。これまで捨てていたような紙袋に値段が付くようになったり、一部の品は 30 年前に購入した時より高い価格で売買されているのです。中古品なのに、です。
それは以下のような複数の要因によります。
このような事情により、購入したご本人が認識している以上に、モノの市場価格が上がっていることが少なくないのです。
あらゆる品物の相場は常に変動していますので、今の相場が続く訳ではありません。ただ、世界の一流品といわれる各分野でトップオブトップの品、希少価値の高いもの、新たに生産できない物は、(特に日本国内で見た場合)今後も価格が上がっていくとだろう、と個人的には予想しています。
では、財産目録に記載する時価評価は、どのように調べて記載すればよいのでしょうか?
そもそも、時価評価とはどのような評価でしょうか?
残された方々にとって必要な情報は、「これって今価値あるの?」という疑問に対する答えです。税務署が相続時に求める評価額も「即時換金、売却できる価格」です。
言い換えれば「今コレを売ったらいくらになるか?」、これが時価評価=現在価値です。
財産目録に購入価格を記載しておく方法もありますが、30 年前に購入した価格は本当に参考になるでしょうか。純金の価格は約 20 年前と比較して 6 倍以上になっており、プラチナも 20 年前の 2 倍ですが一番高い時と比べると 4割ほど安いです。ブランド品でいえば、多くのブランド品の価格は 30 年で 3~4 倍、ブランドによっては 5~6 倍になっています。
<自分で小売価格を調べる>⇒小売価格と即時換金できる価格は異なる。
プロの立場から見ると、上記を含めて販売価格を参考に自分自身で現在価値を算出する場合には、以下のような壁があると考えています。
などなど、客観的かつ妥当性のある評価はなかなかに難しいものです。
また、その品物に精通しているつもりでも、購入価格や思い入れなどの主観が入ってしまうと、適正な時価と比較して高額な評価になることが多くなりがちで、これは残された方にとってはあまりプラスとなりません。
では、どうしたらよいのでしょうか?